「住めば都」とはよく言ったものです
平成12年卒
大原晴基
創立70周年おめでとうございます。70年という長きにわたり、先方が築いて来られた伝統ある明治大学レスリング部の一員として、青春の 1ページを描くことができたことを、大変光米に思うと同時に、大きな 誇りをもつことができました。 しかし、高校卒業後、すぐに秋田の片田舎から上京してきた時の第一印象は、決して良いものではありませんでした。初めて合宿所の姿を目にした時は、とんでもない所にきてしまったという後悔の念でいっぱいになったことを、今でもはっきりと思い出すことができます。合宿所の後方には鬱蒼と木々が生い茂り、部屋の中は昼でも太陽が顔を見せることはなく、一日中蛍光灯の下で生活しなければならない状態でした。壁 や天井には長年の伝統が染み込み、所々ひび割れやしみが見られ、とても常人がまともに暮らせる生活環境には思えませんでした。 しかし、「住めば都」とはよく言ったもので、生活を続けていくうちに不思議と体が順応していき、これ以上快適な生活環境はないと思えるようになっていきました。太陽が差し込まない部屋も、昼寝をするのには最高の環境でしたし、何よりも先輩、同期、後輩と、数多くの仲間に恵まれることができました。このかけがえのない仲間達と過ごすことができた時間はとても充実し、私にとって一生涯の財産となるものを手に入れることができました。 今後も、4年間ご指導してくださった監督、コーチ、先輩方への感謝の気持ちを忘れず、明大レスリング部の発展に少しでも寄与できるよう、頑張っていきたいと思います。