昭和38年 私たちの人生観の原点はあの大学4年間にあった

励みになった同級生の団結力

昭和39年卒

成本 暉

明治大学体育会レスリング部創立70周年記念史へ、同期生を代表して 寄稿するにあたり、とてつもない責任を感じてなりません。4年前に突然亡くなってしまった我々のリーダー「波山竜美」君の無念さを思うと、今でもいたたまれなくなってしまいます。レスリングを通して大学4年間の青春時代に寝食を共にし、喜怒哀楽を共有した大切な仲間の一人でも欠けると、これほど淋しいものはありません。 思えば私たち同期生は昭和35年の春に入学しました。春の合宿に参加するため、高校の終わり頃の2月に希望に胸を膨らませ、全国各地から それぞれのフトン袋を持って、東生田の小さな駅舎に降り立ったのが始まりでした。初めのうちは、想像だにしなかった厳しい練習と規律が辛く、ホームシックになるばかりでした。そんな中、次第に同期生同士の連帯感が強まり、励みになりました。在学中の4年間を振り返ると、いろいろなことがありました。楽しかったこと、辛かったこと、嬉しかったことなど、一つ一つが思い出されて頭の中がいっぱいになります。 個人的なことで恐縮ですが、私は1年生の秋に再起不能の怪我をし、選手生活を断念しました。しかし、笠原先生や多くの先輩方、そして同期生の温かい励ましにより、レスリング部員として本当に素晴らしく有意義な4年間を過ごすことができました。卒業してからすでに38年経過している現在、やはり私たちの人生観の原点はあの大学4年間にあった と思います。明治大学レスリング部員魂として、質実剛健の中に愛情と厳しさのある校風を作り上げてくださった諸先輩には、心の底から敬意を感じております。生意気なようですが、後輩たちには愛情を備えた立派な社会人になって頂くことこそが、私たちにとっての誇りであり、愛核心を一層強めることとなると思います。