奮戦虚しく、屈辱の2部転落
昭和44年卒
狩野一久
「自分なりに主将としての責任を果たしたつもりだが、こんなに成が不振なのもぼくの努力が足らなかったからだと思う。4年生になって 1部から2部へ落ちてしまったのが心残りでならない。主将を栄森君に渡す時になったが、部員は栄森君の注意をよく聞いて、来年は1部へ必ず戻ってもらいたい。 一部へ復帰するにはやはり監督さんの言うように、精神面を重点的に銀えなければならないと思う。もちろん肉体的な面も忘れてはならない が、つまり強くなるには練習あるのみだ。練習で自分を取えるとともに相手を十分に研究すべきだ。その点を各部員は自覚し、練習に励んでもらいたい」
笠原監督の話
「皆よくやってくれた。特に狩野はキャプテンらしく、自分にも他の部員にも厳しい態度でこの1年間、レスリング部を引っぱって来てくれた。 ただ一つ、部員に精神面での充実が見られなかったのが残念だ。もっと しっかりしていればもっと成績もよかったはずだ」
明スポ記者の目
本年度は不本意な年であったの一言に尽きる。6月の東日本学生リーグ戦では、昨年の優勝から一挙に2部に転落し、11月の学生王座決定戦でも1回戦で敗退するに至った。昨年の強豪ぞろいのレギュラーがほとんど卒業したので、昨年と同じ成績をあげ得ぬことは予想されていたが、それ以上の凋落ぶりである。もちろん少しでも昨年に近い良い成を残そうという部員の努力もある程度見られた。実力の低下は止むを得ないとしても、その実力の低下に甘えていたことも否めない。また、例年に比べてまだまだ精神力を欠く、と笠原監督がいつも試合の後に注意していた。その言葉を選手各自がよくかみしめる必要があるだろう。練習をすれば勝てる力をもった選手ばかりだから、もっと良い成積を残せたはずである。 <明大スポーツ新聞より転載>