昭和47年 後輩諸君よ!「常勝明治」の名を復活させてくれ

8年ぶりに学生王座に

昭和48年卒

熊坂勇一

来春の卒業を控えている今、私が明大合宿所で過ごした選手生活を振り返ってみると、実に感概深いものがある。何よりも私の脳裏に深く刻まれた事実、それはやはり主将としての立場の、私自身の体験そのものではなかったかと思われる。 全日本学生王座決定戦の勝利は果実の結実に等しいほど、過去8年間における先輩、同輩らに築き上げられた明大スピリットの賜物であった ろうし、それもまた古き伝統のなせる業であったろう。また大所帯の合宿所運営に、試合の目立たぬ裏方にと力を注いだ諸君らも、正選手に劣らず私の誇るべき存在に違いない。 今後明大の地位を不動のものにすることは、王者としての現在の立場から言って、大学を去る者にとっても残る者にとっても、同様に課せられた使命のようなものではないだろうか。残る後輩が技術面だけを保つことは容易かもしれない。しかし、王者には王者にふさわしいものがある。それは勝つことを前提とした試合をもたらすものである。それだけに大変であろう。何はともあれ「レスリング明治」の名は復活した。残る後輩諸君よ!「常勝明治」の名を復活させてくれ! <明大スポーツ新聞より転載>