昭和57年 涙を流して肩を組み、声を振り絞って歌った校歌

4年間の思い出

昭和58年卒

宇野義之

今回、明治大学体育会レスリング部創立70周年記念史を発行するに当たりまして、御尽力を賜わりました諸先輩や諸兄の皆様には、心より御礼申し上げます。また、明治大学レスリング部OBの一員として、今度の創立70周年記念史に参加出来ました事を誇りに思い、心から感謝致します。 私ども昭和58年度の卒業生7人にとりましても、今年で丁度卒業後20年を迎えます。 月日が過ぎるのは早いもので、友と車座で酒を飲み肩を組んで校歌を歌った日々、みんなと楽しく過ごした日々、道場で汗と血と涙を流した 日々などが、つい先日のように思われます。 なかでも一番の思い出は、同級生7人が、4年間の総てを懸けて戦った、昭和57年度東日本学生リーグ戦での戦いです。 私たち4年生7人はまとまりが有り、仲も良かったのですが、肝心のレスリングの実力に関しましては、諸先輩方々の輝かしい実績や栄光に比べ、決して強いものではありませんでした。その為、リーグ戦前の予想では、今年の明治大学は2部転落の一番手ではないかと囁かれていま した。 危機感を持った我々は、昭和56年の夏の奥志賀高原山中における体力強化合宿から半年間に渡って、私どもが出来うる最大限の努力を行い、準備万端の状態でリーグ戦に挑みました。

リーグ戦初日は強豪校との戦いが続くのですが、名将笠原先生はベストメンバーで挑みました。しかし、結果は3戦して全敗し、絵てが最終日の東海大学戦と東京農大戦の結果で決まる事となりました。まずは東海大学戦、善戦及ばず僅差で破れてしまい絶体絶命のピンチにたってしまいました。しかし、後のないプレッシャーのなかで、戦友は逞しかったのです。東海大学を撃し、意気挙がる東京農大を相手に勇福果敢に戦い、東京農大に圧勝したのです。 この結果、リーグ戦下位3チームが、1勝4敗で並び、笠原先生の強豪チーム相手でも、勝てる所では確実に勝っていくという作戦が功を奏し、リーグ戦堂々の4位となり、2部転落の危機を脱する事が出来ました。 この日の納会は、4年生皆が涙を流し、肩を組み合い、声を振り越って校歌を歌いました。 みんな輝いていました。私は努力を惜しまず、持てる力を出し切って戦かったましく素晴しい仲間の事を、今でも誇りに思っています。 最後に、我々を育ててくれた“明治大学体育会レスリング部”バンザイ!そして、ありがとう。