昭和26年 各大学の中でも最高水準にあった明大の準備運動

準備運動イコール筋肉運動

昭和27年卒

長谷 清

私には、学生時代のレスリング選手としての生活経験が、社会生活に大きな影響をもたらした事は事実である。

 当時の準備運動は、勝者を育成するため、踏まれれば踏まれる程、強くなる逞しさを要求された。スポーツを志す者には、それぞれの目標と男の夢とロマンがあり、その目標を目指すには、相応のハードトレーニングが必要となる。その結果、ピンチをチャンスに、不可能を可能に変え得る根性と信念が育成される。

 その若き日を振り返ると、地下の道場の冬は熱気をもち、夏は緊張と興奮の戦いの場。一歩入った途端、冷気を感じた。明大の準備運動は各大学の中でも最高の水準にあり、その厳しさも別格で、中でも机を利用しての腹筋、マットの上での横っ飛び等が記憶に残る。今、日本アマレス界は、あまりにも基礎体力が低下しているように見受けられる。世の中、基本がすべてとも言われるが、当り前な事、簡単な事が一番むずかしい。人間は修羅場をくぐって大きくなる。

 私も今年で75歳。自宅で行う1時間のダンベル15kg~20kgによる筋肉運動は、もう50数年になる。健康に留意したお陰で20年間、病に臥せった事がない。リーダーとは、その当人か行わない限り、絶対にでき得ないことを成しとげる人物とある。
以上。

〈昭和26年度最上級生部員〉
 長谷清(バンタム級)
 矢田正禾(ウェルター級)